アプレックの廃業
アプレックという、アマゾンFBAへの出品
代行や委託販売を主にやっていた会社
が廃業した(2014年3月上旬)。
東京にあったし、「せどり」とのつながりも
かなり強いし、面識はないがもちろん知ってはいた。
当店は、代行ではなく、直接雇用に舵を切ったので、
関わることはなかったが、仕入れがある程度回りだ
したときに、外注先として真剣に検討したこともあった
(その時の調査では「高い」という結論だったのでやめておいたが)。
廃業の原因が何なのか、外部の人間に正確には分か
らないが、もし「本業の不振」という至極まっとうな理由
だとすれば、ポイントは以下になるだろう。
1 「せどり(古本屋)」と「代行」は根本的に違う
2 「せどり」のリスクは「売れない」こと、「代行」
のリスクは「受注がない」こと
僕が、出版社をやめて、多くの元社員編集者が
「フリーの編集者」になるのに、それをしなかった
のは、「受け仕事」だから。
「代行はリスクがないから潰れるのはおかしいよね」
という話を散見したが、たしかに「仕入れた在庫が売
れない」という分かりやすい物販上のリスクはない。
そのかわりそれは「仕事があれば」という大前提がある。
ちょっと脱線だが、「新刊書店は返品できるから潰れない」
と以前は言われていた。「返品できるから売れ残りリスクは
ない」というのはある程度当たっているが、だから潰れない
わけではない。
御存知のように、今、残っている新刊書店は「取次の開店
口座(まあ専門的な話なので割愛)」でほぼ無理やりやって
いる超大型書店ばかり(もちろん儲かっていない)。昭和の
出版業界を支えた地場の中小書店は壊滅状態。
これは、何故かというと「売れないけど、出版社はバン
バン新刊を作るから(まあ、売れないから作るわけで
すが)、やっていることは、膨大な新刊の受け入れ作
業と、膨大な返品作業だけ」という状態になっているか
ら。たしかに「本が売れないから、その仕入れ費用が
かさむ」というリスクは少ないかもしれないが、結局売
れなければ同じこと。人件費も、ショバ代もかかる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
委託精算目的(割愛)の粗製乱造の新刊が膨大な量入ってくる
↓
入ってくるから、返品も増やさなければならない
↓
新刊の梱包すら解かずに返品するものも多数
↓
店員の士気も下がる
↓
一番上に戻る
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この繰り返しをしているのが、今の新刊書店。物販な
のに攻めの仕事がぜんぜんできずに、「受け」仕事し
かやれないシステムになっている。ハッキリいって一
番かわいそう。
自分の判断で「大量仕入れ!」とかできませんからね、
新刊書店は。まあ、取次との関係無視!とか前のめり
に倒れてもいいから突っ走る!という中小書店が出て
きてもいいとは思うけど。寡聞にしてあまり知らない。
実は、この状況はまったくもって「せどり向き」なんで
すけどね。脱線が長引いた。また改めて。
参考書はこちら。
「せどり」は自分次第で仕事の増減は自由自在だが、代
行は「仕事をくれる発注者の存在」が必要になる。だから、
場所を借りて、人を雇ってという場合には、「仕事が減る」
というリスクが当然大きくある。要するに、ビジネスで一番
難しい「集客」を自分でやらなければならない。
もちろん、アプレックは集客をやっていたが、僕の場合
「顧客化」(コンバージョン)されなかった。理由は高いから。
マーケットプレイスでの販売は、アマゾンが集客をやってくれる。
それが、あのバカ高い手数料になっている。
ビジネスの基本は「集客」→「顧客化」→「生涯顧客化」。
アプレックが、本当に「代行が立ち行かなくなったから廃業した」
のなら、おそらく、分かりやすく「集客」と「顧客化」と「生涯顧客化」
がうまくいかなくなったんだろう。FBA利用+代行利用してると
利益を出せなくなった人が多いのかなという気はする。
僕の場合「仕入れ=集客」と考えている。そして、
「価格改定=顧客化」。「定番商品=生涯顧客化」。
もしかしたら、せどらーが減っているのかもしれない。あるいは、
そんなことはなくて、アプレックの廃業には別の理由があるのか
もしれない。それは分からない。僕は、集客と顧客化と生涯顧客
化の仕方を常に改良し続けるだけ。リスクヘッジは忘れずに。
リスクヘッジといえば、最近は、アカウントも複数にしたので、
メインのは減ってますが、全体では変わりません。近しい人か
ら心配されましたが、分散させてるだけです。販売先も増やしたし。
商品紹介。
最近のコメント